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2020.05.20
2020年春、広告の在り方を考える。
2020年4月より弊社広告事業部にて、岩手県にて創業100年を迎える老舗染物屋・京屋染物店様のプロダクト「en・nichi(エンニチ)」のPRをお手伝いさせていただいています。

en・nichiオフィシャルウェブサイト
https://ennichi.jp/

「人の縁を繋ぐ道具・服。そこから生まれる人の和。」(en・nichiオフィシャルウェブサイトより抜粋)



近年ではコスト削減のために、国外工場での大量生産が主流となりつつあるものづくり。
ユーザーは「愛用者」から「消費者」へと移り変わっていきました。

元来日本には、職人たちの熟練した技術で作り上げられた道具や服を、修繕しながら大切に使い続ける風習が根付いていました。

自分たちの求める道具や服を、近所の職人に依頼し作ってもらう。

職人の手で丁寧に作られたその製品を大切に使い、壊れたときにはまた、お直しのために工房を訪れる。
道具と愛用者、愛用者と職人たちの関係が、子や孫の代まで受け継がれていく。

各地域に根付いたそんなコミュニティーが、日本のものづくりを発展させ、地域の産業を支えてきました。

しかし、2020年現在、そんな日本のものづくりは今はなき「古き良き風景」となってしまいました。
生産者の顔もわからない製品を、ただ消費することが当たり前となっています。

そんな世間を直撃したのが、この度の新型コロナウイルスでした。



日々当たり前のように、使っては捨てを繰り返していたマスクが手に入らなくなった。
コスト削減のため、国内需要のほぼすべてを、中国の工場での生産にゆだねていたことが大きな原因でした。

それにより、今まで見向きもされなかった布製マスクの需要が急激に高まったことは、みなさまもご存知の通りです。

この出来事は私自身、日本のものづくりの歴史や文化を見直す、大きなきっかけとなりました。

またそれと同時に、製品と人とをつなぐ役割である広告に携わる人間として、これまでにもっとすべきであったことが、またこの経験を活かし、これからすべきことがあるのではないか?という気持ちが生まれました。

一広告人として、これからの自分を確かめるために、今この文章を書いています。


京屋染物店様のプロダクト「en・nichi」のPRに話を戻します。

今年の2月、知人からのご紹介をきっかけに、京屋染物店・蜂谷専務からen・nichiのPRをご依頼いただきました。

蜂谷専務をはじめ、en・nichiチームのみなさんとミーティングや打ち合わせを重ねる中で、ひとつの「もの」を作ることにかける意志や想い、購入し使ってくれる「人」への愛情、その純粋で真っ直ぐな気持ちに胸が熱くなりました。

そんなみなさんの想いがこもった「もの」をより多くの「人」に届ける。
その役割の一端を私が担えることを誇りに思い、今でも感謝しています。



en・nichiチームのみなさんと、弊社での広告配信(PR)に先立ち企画したのが「KAPPOGI母の日セット」です。

何度もミーティングを重ね、母の日セットの全貌が見えた時、そこにあったのは「もの」と「人」への愛情でした。

『母の日。かぞくをささえる、すてきなおかあさんへ。』

そんな言葉で始まる母の日セットのPR。
おかげさまで予定していたPR期間を大幅に短縮し、予定セット数を完売することができました。



正直、予想以上の売れ行きでした。
ひとえに、en・nichiチームのみなさんのお力添えのおかげです。

広告を生業とする私にとって、クリアしなければならない課題もまだまだありますが、
想いのこもった質の良い製品を求めている方がたくさんいる、その事実を肌で感じられたことは今、広告人としての私自身を切り拓く、なによりも大きな糧となっています。


新型コロナウイルスの影響で、昨今の消費体質への懸念、日本のものづくりを見直す動きも各所に出てきています。

今後、日本国内での「もの」に対しての考え方はアップデートされる。
私はそんな風に予測しています。

作り手の想いのこもった質の良い製品、長く使い続けられる製品が、今まで以上に求められる時代が来る。
そんな時、広告人もまた人として、考え方や取り組み方をアップデートする必要があります。

大量生産された「もの」と、消費する「人」をつなぐ役割から、
ものの作り手である「人」と、製品を愛用してくれる「人」をつなぐ役割へ。

「人」と「人」をつなぐ広告を作る。
en・nichiのPRをきっかけに、これが私の目標になりました。

人と人を繋げるためにはまず、人と人が繋がること。
コロナウイルスが終息したら、京屋染物店のある岩手に、ものをつくる人たちに、会いに行こうと思っています。


広告事業部
内海絵里