飲食店の電気代が高い・・どうすれば電気代を削減できるのか知りたいですよね。
飲食店の電気代を削減する方法はたくさんありますが、この記事では以下のような今すぐ試せる方法を中心に紹介します。
・厨房機器の見直し(管理方法)
・照明管理
・エアコンの効果的な活用方法
その他にも電気代削減に役立つ情報をまとめているのでぜひ最後までご覧ください。
目次
飲食店の電気代を節約する方法
冷蔵庫の管理を徹底する
冷蔵庫は24時間稼働するものです。
管理を徹底するだけで電気代の削減が見込めます。
野菜室 約5~7℃
冷蔵室 約3~5℃
チルド室 約0℃
など、食材やそれぞれに適した温度があります。
最新のものだとタッチパネルで調整できるタイプもありますが、つまみタイプのものでも1番強い設定になっている場合、電気代が無駄にかかっているケースが多いです。
自動やエコモードがある場合は良いですが、ない場合でも強から中に変更するだけで約10%の節電になると言うことを覚えておきましょう。
もし、冷蔵庫内の温度が分からない場合は、冷蔵庫の中に水をいれたコップを置き、半日後にコップの中の水に温度計をいれることで測定できます。
製品によっては設定できない場合もありますが、見直すだけで食材の鮮度も保てますし、電気代の削減ができます。
昔は冷蔵庫の設置は壁から3~5cmほど離さないと放熱ができないと言われていましたが、今は冷蔵庫が進化していて5ミリ以上話せばOKだと言われています。
スペースの問題もありますが、古い冷蔵庫をお使いの場合はしっかり放熱できるスペースを確保することで電気代の削減が見込めます。
他には食材の詰め込みすぎにも注意が必要です。
7割を目安に心がけましょう。
食材を詰め込むと「冷気の吹き出し口を塞ぎ冷却効率を下げる」「食品の出し入れがスムーズにできず開扉時間が長くなる」など、余計な電力を使うことにつながります。
LED照明に替える
LEDは2010年頃から普及し、今では日本全国で50%以上がLEDに切り替わっています。
その中でも、オフィスやマンション、飲食店の店舗などでは需要が高く、切り替えが進んでいます。
LEDの特徴とは?
従来の電球と比べて約40倍、蛍光灯と比べて4~5倍、寿命が長く、40,000時点灯すると言われています。
また、長時間使っていると従来電球は熱くなりますが、LEDは熱くなりづらいのも特長です。
ではLEDにすると実際どのくらい電気代を削減できるのか?
リビングの場合
従来⇒15,100円
LED⇒3,740円
削減額⇒11,360円
150坪のオフィスの場合
蛍光灯照明⇒750,000円/年
LED⇒600,000円/年
削減額⇒150,000円
10年使い続けた場合・・
オフィスの場合
従来⇒100万円
LED⇒20万円
削減額⇒80万
マンションの場合
従来⇒1,000万円
LED⇒200万円
削減額⇒800万
一般家庭
従来⇒10万円
LED⇒2万円
削減額⇒8万円
あくまで目安としてですが、このくらいの削減が期待できます。
建物や店舗の規模、LEDの設置数によって削減額は異なりますが確実に電気代の削減は期待できるということを覚えておきましょう。
続いて、LEDのデメリットについて
●工事が必要な場合がある。
●従来の電球、蛍光灯より高い
LED電球の場合は工事が必要ありませんが、蛍光灯の場合は工事が必要になります。
業者によって工事費用にばらつきはありますが、2本で2,000円~6,000円が相場でしょう。
10本交換する場合(2本2,000円で計算)だと工事費用は10,000円になります。
LEDの価格の目安は、2000円~3000円、高いもので5000円を超えるものもあります。安いものでも十分効果は期待できるので高いものを選ぶ必要もありません。
また、LEDの取り付けは業者にお願いしましょう。
ネットで自分で簡単に取り付けられるという情報を目にしますが、間違えると火災の原因にもなります。
営業中に突然発火した時のことを想像してみてください。
お金はかかっても専門業者にお願いすることをおすすめします。
業者に頼んだ場合、現状のコストのヒアリング、現地調査、見積もり作成、工事着工の流れで安心して任せることができます。
LEDは従来の電気と比べて高いですし、工事が必要な場合もあります。
しかし、電気代は確実に削減できます。
先々のことを考えると十分検討する余地はあると思います。
照明の管理の徹底
先程、LEDに交換するメリットについて説明しましたが、LEDに交換しても照明の管理ができていなければ本末転倒です。
例えば、居酒屋でランチ営業をしている場合、席数の5割しかお客さんが埋まっていないのにすべての照明をつける必要はありませんよね。
テーブル席だけ解放して、座敷の席はお客さんがいっぱいになるまでは解放しないなど、ピーク時を除いてお客の入り具合に適した照明管理を徹底しましょう。
雰囲気やお店のコンセプトもあると思いますが、必要最低限の照明だけ点灯させて営業しているお店もたくさんあります。
お客さんも自分達の席に照明があたっていれば、不快な思いはしないはずです。
エアコンの管理の徹底
エアコンに関してもしっかり管理することが必要です。
エアコンは設定温度を1度あげるだけで約10%節電できると言われています。
古い習慣から、夏場になると20度くらいに設定する人もいると思いますが、そんなことをしても電気代が吹き飛ぶだけです。
ここではエアコンの賢く利用して電気代を削減する方法を紹介します。
温度管理
一般的にエアコンの温度は28度が推奨されています。
これでもちょっと暑いと感じたら27度、26度と微調整しましょう。
暑いからといって温度を限界までさげるのは逆に消費量がふえる原因になるのでやめましょう。
風向きや風量
室内の温度を下げるより風量を大きくした方が節電に繋がります。
冷房の場合、風向きは水平もしくは上向きにしましょう。
理由は冷たい空気は下に降りていくので、風向きを上向きにすることで徐々に冷気が下りて部屋全体を無駄なく冷やすことができます。
逆に暖房の場合は風向きを下向きにしましょう。
暖かい空気は上に昇っていくので、風向きを下向きにすることで効率よく部屋全体を暖めることができます。
めんどうかもしれませんが、こうした管理が節約の第一歩です。
また、よく言われていることですがこまめに電源のON、OFFはあまりおすすめしません。
冷えてきたからといってエアコンを消してまた稼働させると、エアコンは設定温度に到達するまでフル稼働するので結果的に消費電力が増えてしまいます。
ある程度部屋が冷えたと感じたら、微風や送風に切り替えましょう。
エアコンの内部の掃除
2週間に一回程度、フィルターの掃除を行いましょう。
節電効果もありますし、本体の寿命も長持ちします。
何よりきれいな空気がでます。
フィルターの掃除は掃除機でほこりを吸いとるだけでも効果があります。
タバコの匂いやその他の汚れが気になる場合はスポンジなどで軽く水洗いしましょう。
わざわざ業者に依頼して余計な費用は払う必要はありません。
室外機
室外機の置く場所はある程度決まっていますが、なるべく直射日光があたらないようにしましょう。
熱交換器が熱くなり、運電効率が悪くなります。
逆に夏場の場合だと、室外機に打ち水をすることで、熱交換器が冷え運転効率をあげることができます。
電気代削減につながる機器の見直し
業務用冷凍・冷蔵庫
どこの飲食店にもある業務用冷凍・冷蔵庫。
どれも同じように見えますが、大きさはさまざまで、30cmしか幅が違わないものだってあります。
店舗によっておける大きさが決まっているのもありますが、製品の大きさによって電気代がかわってくるからです。
また、ホシザキの公式サイトによると
2005年の発売の製品と2018年に発売された製品と比較した場合、年間で約32,700円の削減ができます。
先々のことを考えて、もし今使っているものが古いもので容量に余裕がある場合は、もう少し容量の少ないものも検討しても良いかもしれません。
これから飲食店を経営しようという方は、安さだけで製品を選ばないようにしましょう。
今はネットで中古で安く製品を購入できるようになりましたが、初期費用を抑えたい気持ちだけで製品を選ぶと、故障やメンテナンス頻度が高くなり、トータルコストは高くつくケースも多いです。
製氷機
製氷機は24時間ずっと稼働しています。
当然、稼働時間がふえるほど電気代は高くなるもの。
製氷機は飲食店にかかせないので、電気代削減のためとに使用しないわけにはいきませんよね。
ただ、古い製品を使用している場合は新しい製品に替えても良いかもしれません。
大手総合厨房機メーカーのホシザキを例に出すと
lM-25L-1からlM-25Mの製氷機に替えるだけで年間14,191円削減できます。
水道代も合わせると21,205円削減できるんです。
今の製氷機が古くて、メンテナンスも頻繁に必要であれば、買い替えを検討してみも良いかもしれません。
コールドテーブル
飲食店にかかせないコールドテーブル。
冷蔵、冷凍ができる上に作業台にもなる優れものです。
ホシザキの製品を例に出すと
1999年に発売されたものと2011年に発売されたものを比較した場合、年間で26,800円も削減できます。
初期費用はかかりますが、こちらも古い製品をお使いの場合で不具合がでているのであれば買い替えを検討しても良いかもしれません。
おしぼりウォーマー
おしぼりを温めたり、冷やしたりするのがおしぼりウォーマーです。
機器によって違いますが、温めで使用した場合の月のおおよその電気代をまとめました。
小型タイプ(おしぼり20本~40本)
328円/月
3,936円/年
中型タイプ(おしぼり55本~80本)
1,537円/月
18,444円/年
とびらの開け閉めを少なくしたり使わない時は電源を消したりすれば、節約はできますが、今、中型タイプをつかっているけど、おしぼりの本数が40本くらいしかない場合は、小型タイプにきりかえましょう。
営業の上手い口車にのせられて契約してしまってそのままにしている方が多いですが、それはもったいないです。
中型タイプから小型タイプにするだけで、年間15,000円以上削減できます。
おしぼりウォーマーの中のおしぼりがなくなる事ってありますか?
失礼な言い方かもしれませんが、誰もが知っているような繁盛店でもない限りそんな状況にはならないと思います。
大は小を兼ねるというのは売り手の都合の良い言葉です。
お店に適したものを選ぶことが節約につながります。
飲食店の従業員全員の共有意識と環境づくりが重要
飲食店を経営していると、いろんな問題があると思います。
食材の高騰、人件費、ライバル店の進出・・
数えあげればきりがありませんが、電気代の削減もしっかり意識しましょう。
飲食店の経営の場合、店長だけではなく、従業員全員で電気代の削減の意識が大切です。
毎月の電気代をみんなの目の届くところに張っておくだけでも構いません。
バックヤードや従業員の更衣室などに、エアコンの設定温度や冷蔵庫の詰め込みなどの注意点なども一緒に貼っておきましょう。
小さなことかもしれませんし、はじめは従業員からも変な顔されるかもしれませんが、少しづつ浸透してきますので根気強く続けましょう。
浮いた電気代で、従業員になにか還元したり、モチベーションを下げさせない工夫も必要です。
店長を含めお店の従業員全員で電気代を節約する意識と環境づくりをめざしましょう。
やりすぎず、本業の飲食店経営に支障がでない程度の気持ちで継続的に削減しましょう。