法人でも新電力に乗り換えられるの?法人で新電力に乗り換えるメリットは?と思っていますよね。 新電力の中には法人向けプランを提供しているところがあり、プランによっては電気代を節約することができます。 また新電力の中には、各地に分散している店舗や工場の請求を1つにまとめて一括請求してくれるところがあり、支払いが月に1回になるため事務処理の負担が軽減できるというメリットもあります。 ただ法人向けプランは料金の取り決めが細かく、何社もある新電力を自分で比較するには時間と労力がかかってしまうため、電気代を節約したいのであれば比較サイトの利用がおすすめです。 この記事では、新電力に乗り換えることのメリットから選ぶ方まで全情報をまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。
以下の記事では家庭向けのおすすめ新電力会社を比較しランキング形式で紹介しています。あわせて参考にしてください。
⇒『電力会社おすすめランキングTOP5!比較で分かる世帯・地域別のおすすめ新電力』
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小売電気アドバイザー・デジタル庁公認デジタル推進委員。個人・法人向けに電力プランのコンサルティングを行う傍ら、電力小売りに関する複数のWEBメディアの記事監修を行う。各種プランに精通しており、シミュレーションシステムの構築・料金比較サイトの運営にも携わる。電力業界の専門家として各種メディアの取材歴多数。「電気代節約の専門家インタビュー掲載」続きを表示 ▼
目次
新電力の法人向けプランとは
電気の法人向けプランは「特別高圧電力/高圧電力/低圧電力」の3種類に分かれています。 そして2000年3月に「特別高圧電力」、2004年~2005年に「高圧電力」、2016年4月に「低圧電力」の自由化が始まり、従来の電力会社(東京電力や関西電力など)から新電力への乗り換えが自由になりました。
対象施設の例 | 契約電圧 | |
---|---|---|
低圧電力 | 商店 | 50kW未満 |
高圧電力 | 企業 中小工場 | 50kW以上 |
特別高圧電力 | 大工場 高層ビル | 2,000kW以上 |
現在も法人向けプランを提供している新電力は増えており、乗り換えることで電気代が安くなったり、請求がまとまるといったメリットがあります。 ただ法人向けプランは契約状況によって選ぶべきプランが異なり、料金の細かい取り決めも新電力によって異なるため、“この新電力が1番安い”とは言い切れません。 この記事の中盤では法人向の新電力の選び方について解説しているので、参考にしてみてください。
法人で新電力に乗り換えるメリット
電気代が安くなる
新電力は基本的に、従来からの電力会社(東京電力や関西電力など)よりも安くなるように料金プランを組んでいるので、乗り換えることで電気代の節約が見込めます。
『シン・エナジー』という新電力では、以下の画像のように「基本料金」という毎月定額でかかる料金が、従来の電力会社よりも安く設定されているためその分電気代が安くなります。
引用元:「シン・エナジー」公式サイト※「従量料金」は電気を使った分だけかかる料金で、「燃料費調節額」と「再生可能エネルギー発電促進賦課金」は電力会社によって異なるものではありません。
基本料金は契約電力が大きいほど高くなる料金なので、大きな工場や大型商業施設などでは大幅な削減が期待できます。 例えばスーパーマーケット15店舗で乗り換えた場合、年間で約3.8%、電気代に換算すると「13,000,000円」以上も節約可能です。(※契約電力の合計:3,966kW/電気の使用量の合計:16,688,850kWhの場合) また新電力の法人向けプランは、デパートやショッピングモールなどの大型商業施設向けプランや、アパートの共有部分(ロビーや踊り場など)向けプランなど、使用状況ごとに分かれているため、使用状況に併せて選ぶことで大幅な節約が可能でしょう。
請求がまとまる
新電力の中には、各地に分散している店舗や工場の請求を1つにまとめてくれるところがあるため、乗り換えることで請求がまとまり事務処理の負担が軽減されます。
例えばソフトバンクでんきには「法人まとめ請求」というサービスがあり、電気のみでなくソフトバンクの携帯電話料金から、他社の電話料金の請求までもまとめることが可能です。
引用元:ソフトバンク公式サイト
ソフトバンクの法人まとめ請求の場合、上記の画像のように企業の電気代や電話料金を一旦ソフトバンクが立て替えて支払い、その後契約者が一括でソフトバンクに支払うという仕組みのため、支払いの手間が1度で済みます。 このようなサービスを利用することで総務や経理業務の負担が軽くなるため、全国各地に店舗を展開している企業や遠方に工場がある企業などにおすすめです。
法人向け新電力の選び方
新電力が提供している法人向けのプランは多く特徴も異なりますし、法人向けプランの料金の仕組みはかなり複雑なため、自力で最適なプランを探すのは無理でしょう。 そこで、全てを踏まえてた上で最適なプランを提案してくれる比較サイトの利用をおすすめします。
比較サイトを利用する
比較サイトでは、「料金の安さ、再エネ比率、CO₂排出量、企業の規模」など、依頼者が重視するポイントを踏まえて最適なプランを提案してくれるため、効率よく希望条件に合った新電力を探すことができます。
また法人向けプランは、料金の仕組みが複雑で一概にどの新電力が安いとは言い切れないため、とにかく電気代を抑えたいという企業は比較サイトの利用一択です。
例えば高圧電力でも契約電力が500kWを超える場合は「高圧大口」となり、「高圧大口」と「特別高圧電力」では電気料金の取り決めを電力会社と直接話し合って決める協議制になります。
この場合公式サイトを見ても安くなるかは分かりませんし、協議制でない場合でも電力会社をいくつか選んで比較するにはかなりの時間と労力が必要になるため、比較サイトにシミュレーションと比較を任せてしましょう。
「スイッチビズ」という比較サイトでは、「会社名/担当者名/電話番号/メールアドレス/物件種別」そして希望条件を送信するだけでOK。
その後、折り返し電話にて申し込み内容の確認や今後の流れについての説明が行われ、約2週間後に最適なプランの見積もりがいくつか送られてくるので、その中から希望する電力会社を指定すれば契約手続きまで行ってくれます。
また見積もりには料金が一切かからないため、見積もり結果に満足いけば切り替える、ということも可能です。
法人向けの新電力に関する質問
最後に、新電力の法人向けプランに関する質問をまとめました。 申し込み前に必ずチェックしておきましょう。
工事費は必要?
新電力への乗り換え時に、工事費がかかることはありません。 ただ初めて新電力に切り替える場合、「スマートメーター」という機器が設置されていないことがあり、この場合は設置工事が行われますが、工事費は原則無料です。 ちなみにスマートメーターとは、電気の管理を簡単にするための機器で、2016年の電力自由化に伴って全国に順次設置されています。
申し込みから供給までの流れは?
法人プランの多くは、まず料金シミュレーションを依頼して、送られてきたシミュレーション結果(見積もり書)を確認してから申し込む必要があります。 シミュレーションには「現在利用している電力会社での12ヵ月分の電気代が分かる書類/現在の契約情報」などが必要になり、依頼してから約2週間ほどでシミュレーション結果が届くので、問題が無ければ契約書類またはWEBフォームから申し込みましょう。 そして申し込みから約2~4ヵ月後に切り替わります。
解約違約金はかかる?
新電力の中には解約違約金が発生するところがあるので注意しましょう。 例えばハルエネでんきではプランによっても異なりますが、3年間の契約期間中に解約してしまうと2万円前後の違約金が請求されてしまうことがあります。 新電力の法人向けプランの場合、長期間の契約を見込んで契約期間が決められているところも少なくないため、申し込み前に必ずチェックしてください。
▼解約違約金がかかる新電力の例 「ソフトバンクでんき for Biz」 ・契約期間:2年間の自動更新 ・違約金5,000円 「F-Power」 ・契約期間:1年間 ・違約金:2,000円
まとめ
最後までお読みいただきましてありがとうございます。 新電力に乗り換えると電気代が安くなったり、請求が1つにまとまるというメリットがあります。 ただ法人向けプランの場合、料金の取り決めが細かく異なるため、個人で新電力を比較して最も安いところを探すのはまず無理でしょう。 そのため電気代を安くしたいのであれば、比較サイトで一括比較してもらうことをおすすめします。