一人暮らしの電気の平均アンペア数ってどのくらい?一人暮らしで電気のアンペアを変更する方法は?と思っていますよね。
一人暮らしなら30A(アンペア)が平均的ですが、電化製品をよく使う人やオール電化住宅に住んでいる人は40A以上必要になるでしょう。
また賃貸物件に住んでいる一人暮らしでも、アンペア数の変更は基本的に無料でできますが、アンペア数を上げると電気代のうち「基本料金」が上がってしまいます。
ただ、電力会社の中にはアンペア制限がないプランを提供しているところもあり、このプランであれば基本料金が一切かからないため、電気代が気になるけれどアンペア数を上げたい人におすすめです。
この記事ではアンペア数の仕組みから一人暮らしに適切なアンペア数、そして実際にアンペア数を変更する方法までをまとめたので、ぜひ最後まで読んでみてください。
小売電気アドバイザー・デジタル庁公認デジタル推進委員。個人・法人向けに電力プランのコンサルティングを行う傍ら、電力小売りに関する複数のWEBメディアの記事監修を行う。各種プランに精通しており、シミュレーションシステムの構築・料金比較サイトの運営にも携わる。電力業界の専門家として各種メディアの取材歴多数。「電気代節約の専門家インタビュー掲載」続きを表示 ▼
目次
電気のアンペア数とは
電気のアンペア数とは電気の容量のようなもので、電化製品を一度にどのくらい使えるかが決まります。 アンペア数(A)は【10A・15A・20A・30A・40A・50A・60A】の中から使用状況に合わせて選べ、アンペア数が大きいほど容量は大きくなる仕組みです。 そして容量を超えて電気を使ってしまうとブレーカーが落ちるので、頻繁にブレーカーが落ちる人は電化製品の使用頻度とアンペア数が見合っていないということになります。
アンペア数によって基本料金が決まる
電気代のうち毎月固定でかかる『基本料金』はアンペア数によって決まります。
そしてアンペア数が大きくなるほど基本料金も高くなるため、ブレーカーを落ちにくくするには電気代が上がるということです。
またエリアによって基本料金は異なるので、以下を参考にしてください。
アンペア | 東京電力 中部電力 | 北海道電力 |
---|---|---|
10A | 286円 | 341円 |
15A | 429円 | 511円 |
20A | 572円 | 682円 |
30A | 858円 | 1,023円 |
40A | 1,144円 | 1,364円 |
50A | 1,430円 | 1,705円 |
60A | 1,716円 | 2,046円 |
アンペア | 東北電力 | 北陸電力 | 九州電力 |
---|---|---|---|
10A | 330円 | 242円 | 297円 |
15A | 495円 | 363円 | 445円 |
20A | 660円 | 484円 | 594円 |
30A | 990円 | 726円 | 891円 |
40A | 1,320円 | 968円 | 1,188円 |
50A | 1,650円 | 1,210円 | 1,485円 |
60A | 1,980円 | 1,452円 | 1,782円 |
ちなみに「関西電力エリア・中国電力エリア・四国電力エリア・沖縄電力エリア」は、そもそもアンペアの縛りがないため基本料金もありませんが、家ごとに電気の最大容量は決められているので、使用状況によってはブレーカーが落ちます。
一人暮らしの電気は何アンペアが最適?
アンペア数は「電化製品ごとの消費電力(W)÷電圧(100V)」で計算でき、一度にどれだけ電化製品を使うかによって適切なアンペア数が決まります。 基本的な電化製品のアンペア数は以下の通りです。
電化製品 | アンペア数 |
---|---|
照明 | 2A |
冷蔵庫(450Lクラス) | 2.5A |
電子レンジ | 15A |
エアコン(10畳用) | 冷房:5.8A (立ち上がり時:14A) |
暖房:6.6A (立ち上がり時:20A) | |
テレビ | 液晶42型:2.1A プラズマ42型:4.9A |
掃除機 | 弱:2A 強:10A |
ドラム式洗濯乾燥機 | 洗濯時:2A 乾燥時:13A |
ヘアードライヤー | 12A |
アイロン | 14A |
※引用元:東京電力公式サイト 上記のアンペア数を基に、一人暮らしのアンペア数の目安と、一人暮らしでオール電化住宅のアンペア数の目安を紹介します。
平均は30A
一人暮らしの平均アンペア数は30A(※)なので、実際に必要な電化製品を想定してアンペア数を計算してみました。(※引用元:東京電力公式サイト「電力需要」) 常に電源が入っている照明と冷蔵庫、そしてテレビも点けている場合、合計で「6.6A」必要になります。 さらに追加で電子レンジを使う場合は合計「21.6A」、エアコンを使う場合は合計「20.6A~26.6A」が必要になるので、20A契約ではすぐにブレーカーが落ちてしまうことが分かります。 また20A契約でも、電化製品を使うタイミングをずらしたり電源をこまめに切ることでブレーカーは落ちないかもしれませんが、電化製品は電源を入れる際に最も電気代がかかるため節約にはなりません。 そして、在宅ワークで常に家にいる人や常に多くの電化製品を使っている人などは、40Aで契約した方が安心です。 そのため基本的には30A、そもそも電化製品がほとんどない上にあまり使わない人は20A、電化製品をよく使う人やブレーカーが落ちると困るような人は40Aを選びましょう。
オール電化なら40A以上
オール電化住宅で一人暮らしをしている人は、ガスと電気を併用している場合より電気の使用頻度が高くなるため、40A以上で契約した方がいいでしょう。 オール電化住宅に設置されているエコキュートに必要なアンペア数は「20A」で、エコキュートは一般的に夜の11時から稼働開始します。 そのため、夜の11時以降は「照明・冷蔵庫・エコキュート」の3つを併せて最低でも「24.5A」が必要です。 さらに、追加で電子レンジを使用する場合は「39.5A」、洗濯機も同時に回す場合は「最大52.5A」必要になるため、40A~60Aで契約する必要があります。 またオール電化住宅にはIHコンロも設置されていますが、必要なアンペア数は「20A~30A」となっており、IHコンロを3口同時に利用すると最大58A必要になるので、よく料理をする人は60Aで契約してもいいかもしれません。 ※エコキュートとは:夜間に電気を使ってお湯を作りだす機器のこと
一人暮らしで電気のアンペアを上げる方法
賃貸のマンションやアパートに住んでいる一人暮らしでも、基本的にアンペア数を自由に変更することができます。 アンペア数を上げる方法は大きく分けて、「①アンペアの制限がないプランに乗り換える」「②今のプランのままでアンペア数を変更してもらう」の2通りあります。 中でも①の方法は、基本料金0円でアンペア数を引き上げることができるのでおすすめです。
アンペアの制限がないプランに乗り換える
電力会社の中にはアンペアの制限がないプランを提供しているところがあり、このプランでは基本料金0円でアンペア数を最大まで引き上げることが可能です。 ただ安全上、最大アンペア数は60Aと決められているので、絶対にブレーカーが落ちなくなるわけではありません。 なお、乗り換えにあたってアンペアブレーカーが撤去されるのですが、中には自分で申告しないと撤去してくれない場合もあるので覚えておきましょう。 ※新電力=従来からある地域ごとの電力会社以外の電力会社のことです。 そしてアンペアの制限がないプランに乗り換えると、使用状況にもよりますが電気代も安くなります。 実際に、東京電力から「Looopでんき」というアンペアの制限がないところに乗り換えた場合を例に、1ヵ月間の電気代がどのくらい安くなるのかを計算しました。 なお一人暮らしの電気代の平均は「5,800円※」なので、平均と併せて少なめと多めの場合もまとめました。自分の電気代に近い部分を見てください。※引用元:一般社団法人エネルギー情報センター
少なめ 3,000円 | 平均 5,800円 | 多め 8,000円 | |
---|---|---|---|
差額 | -114円 | -83円 | -375円 |
表のように、アンペア数の制限がなくなる上に電気代も毎月数十円~数百円安くすることができるのでおすすめです。
そこでアンペアの制限がないプランを提供している電力会社を以下にまとめました。電力会社の名前をクリックすると、料金や評判について詳しく解説している記事に飛ぶので参考にして見てください。
電力会社に変更を依頼する
今の電気プランをそのまま使いたい人は、電力会社にアンペア変更の依頼をしましょう。 依頼方法は電力会社や今使っているプランによって異なりますが、電話またはWEBサイト上で可能です。 なお今まで一度も電力会社を乗り換えたことがない場合は、「スマートメーター」の設置も併せて依頼してください。 スマートメーターが設置されることで、電力会社によって遠隔操作でアンペア数を変更できるようになるため、立ち合いの工事や停電の心配はありません。 そしてスマートメーターの設置工事もアンペア変更も、立ち合い不要で基本的に無料で行ってくれますし、月の途中でアンペア数を変更した場合の基本料金は日割り計算で適用されます。 ただ新電力の中には、引越しと同時にアンペア数を変更できないところもあり、この場合はまず引越し先で初期設定されているアンペア数で利用して、その後希望のアンペア数に変更してもらう流れになるので覚えておきましょう。
一人暮らしで電気のアンペア変更時の注意点
一人暮らしで電気のアンペア数を変更する際は、注意点がいくつかあるので、しっかり確認してから変更しましょう。
建物によっては変更できない
マンションやアパートの中には、契約できるアンペア数が指定されている建物があり、この場合アンペア数を自由に変更できないので注意しましょう。 特に、築年数が数十年経っているマンションやアパートで一人暮らしをしている人は注意が必要です。 基本的にアンペア数を変更する際は大家さんや管理会社に連絡を入れる必要はないのですが、心配な人は一度連絡してみましょう。
1年単位でしか変更できない
アンペア数の変更は基本的に1年単位でしか変更できないので、しっかり考えてから変更しましょう。 例えば春や秋は、夏や冬に比べて電気をあまり使わないためアンペア数を下げておく、と言ったことはできません。 ただアンペア数を上げる場合に関しては、基本料金も上がり電力会社にとってはメリットとなるため、承諾してくれることもあるようです。
まとめ
最後までお読みいただきましてありがとうございます。 一人暮らしの平均的なアンペア数は30Aで、電化製品をたくさん使う人やオール電化住宅に住んでいる人は40A以上を選択すれば間違いないでしょう。 また賃貸マンションやアパートに住んでいる一人暮らしでも、アンペア数の変更は自由にできるので、一旦30Aで契約して足りなければ引き上げることも可能です。 ただしアンペア数の変更は基本的に1年に1回のみなので、しっかり考えてから変更しましょう。 なお、アンペア数の制限がなく基本料金もかからないプランを提供しているところもあるので、併せて検討してみてください。