カブアンドでんきは、ZOZO創業者の前澤友作氏が代表を務める株式会社カブ&ピースが運営する新電力サービスです。2024年11月にサービスを開始し、電気料金の支払額に応じて運営会社の未公開株式を還元する独自のシステムを特徴としています。
電力供給は大阪ガスと中部電力の子会社CDエナジーが担当しており、北海道から九州まで9電力エリアをカバーしています。オール電化住宅には非対応ですが、一般家庭向けと事業者向けの2種類の料金プランを用意しています。
最大の特徴は、電気料金の1%(プラス会員は2%)相当の株引換券が付与される点です。この引換券は2025年4月以降に未公開株式と交換することができます。ただし、株式は上場するまで売却できないため、長期的な視点での利用が推奨されます。
目次
カブアンドでんきとは?料金に応じて株がもらえる?
株式会社カブ&ピースの会社概要
株式会社カブ&ピースは2023年に設立された新しい企業で、「Give and Peace(与えることで平和をつくる)」という企業理念を掲げています。
経営陣にはZOZOでの経営経験を持つメンバーが多数参画しており、ベンチャー企業でありながら上場企業での実務経験を持つ信頼できる体制を構築しています。前澤友作氏は将来的な株式上場も視野に入れており、「国民総株主」の実現を目指しています。
現在展開しているサービスラインナップは以下の通りです。すべてのサービスで株式還元を実施しています。
- KABU&でんき(電力供給)
- KABU&ガス(ガス供給)
- KABU&モバイル(携帯電話)
- KABU&ひかり(光回線)
- KABU&ウォーター(宅配水)
- KABU&ふるさと納税(ふるさと納税)
これらのサービスを組み合わせることで、より多くの株式還元を受けることが可能です。株引換券は1枚1円として計算され、2025年4月25日の株価発表後に株式への交換が可能となります。
カブアンドでんきのサービス内容!株がもらえる?
カブアンドでんきは、電気料金の支払額に応じて未公開株式が還元される日本初の電力サービスです。電気の品質は従来と変わらず、現在の電力会社への解約手続きも不要で、オンラインでの申し込みのみで切り替えが完了します。
株式還元の仕組みは、サービスを利用することで「株引換券」が付与され、その引換券を未公開株式に交換できるというものです。通常会員は利用額の1%、KABU&プラス会員は2%の株引換券が付与されます。
このサービスは、以下のような方に特に適しています。
- 電気料金の支払いを通じて資産形成を始めたい方
- 株式投資に興味があるが、まとまった資金がない方
- 前澤友作氏の事業に投資したいと考えている方
なお、オール電化住宅には対応していないため、オール電化住宅にお住まいの方は電気料金が割高になる可能性がある点に注意が必要です。
提供エリアと対応プラン
カブアンドでんきは、沖縄電力エリアと一部離島を除く、全国9電力エリアでサービスを提供しています。対象となるのは、北海道電力、東北電力、東京電力、中部電力、北陸電力、関西電力、中国電力、四国電力、九州電力の各供給エリアです。
東京電力エリアでは株式会社CDエナジーダイレクトが、その他のエリアでは大阪ガス株式会社が小売電気事業者として電力を供給しています。これにより、新興企業でありながら安定した電力供給を実現しています。
以下のケースではサービスの利用ができません。
- 沖縄電力エリア全域
- 本土と送電線が接続していない離島
- マンション一括受電契約物件
- 高圧一括受電契約物件
- オール電化住宅
料金プランの特徴
カブアンドでんきの料金体系は、基本料金と電力量料金、再エネ賦課金の3つの要素で構成されています。基本料金は契約アンペア数によって決定され、電力量料金は実際の使用量に応じて計算されます。
最大の特徴は、燃料費調整額に上限がない点です。燃料費調整額とは、火力発電に使用する石油や天然ガスなどの燃料価格の変動を電気料金に反映させる制度です。燃料価格が上がれば電気料金も上がり、下がれば下がります。
プランは一般家庭向けと事業者向けの2種類で、料金設定は地域の大手電力会社の従量電灯プランとほぼ同等です。なお、再エネ賦課金は全国一律の単価が適用され、電力会社が異なっても変わりません。
【エリア別】カブアンドでんきの料金プラン一覧
カブアンドでんきでは、各電力エリアごとに異なる料金体系を設定しています。基本的な料金構造は全国共通で、基本料金(または最低料金)と電力量料金の二段階制となっています。
各エリアで「一般家庭向けプラン」と「6kVA以上プラン」の2種類を提供しています。一般家庭向けプランは契約アンペア制、6kVA以上プランは契約容量制を採用しています。
なお、基本料金と電力量料金に加えて、燃料費調整額と再生可能エネルギー発電促進賦課金が加算されます。特に関西・九州エリアでは燃料費調整額の影響で、電気料金が大手電力会社より高くなる可能性があることに注意が必要です。
北海道電力エリアの料金プラン
北海道電力エリアの一般家庭向けプランでは、10Aから60Aまでの7段階の契約アンペアに対応しています。基本料金は10Aあたり402円60銭で、契約アンペア数に応じて比例的に増加します。
区分 | 料金(税込) |
---|---|
基本料金(30A) | 1,207円80銭 |
電力量料金(~120kWh) | 35円34銭/kWh |
電力量料金(121~280kWh) | 41円62銭/kWh |
電力量料金(281kWh~) | 44円86銭/kWh |
寒冷地の特性を考慮した料金設定となっており、電力消費量の多い冬季でも過度な負担とならないよう配慮されています。
東北電力エリアの料金プラン
東北電力エリアでは、比較的安価な基本料金設定が特徴です。10Aあたり369円60銭から設定されており、北海道エリアと比べて約8%低い水準となっています。
区分 | 料金(税込) |
---|---|
基本料金(30A) | 1,108円80銭 |
電力量料金(~120kWh) | 29円61銭/kWh |
電力量料金(121~300kWh) | 36円35銭/kWh |
電力量料金(301kWh~) | 39円82銭/kWh |
使用量の区分が300kWhまで設定されており、大人数世帯でも比較的経済的に利用できる料金体系となっています。
東京電力エリアの料金プラン
東京電力エリアの料金プランは、全国で最も利用者の多い標準的な料金体系を採用しています。10Aあたりの基本料金は311円75銭と、比較的低めの設定となっています。
区分 | 料金(税込) |
---|---|
基本料金(30A) | 935円25銭 |
電力量料金(~120kWh) | 29円79銭/kWh |
電力量料金(121~300kWh) | 36円38銭/kWh |
電力量料金(301kWh~) | 39円99銭/kWh |
一般的な使用量である120kWhまでの料金を抑え、使用量が増えるにつれて段階的に単価が上がる仕組みとなっています。
中部電力エリアの料金プラン
中部電力エリアは、全国で最も電力量料金が安い地域の一つです。基本料金は10Aあたり321円14銭で、東京エリアより若干高めですが、電力量料金は大幅に低く設定されています。
区分 | 料金(税込) |
---|---|
基本料金(30A) | 963円42銭 |
電力量料金(~120kWh) | 21円19銭/kWh |
電力量料金(121~300kWh) | 25円65銭/kWh |
電力量料金(301kWh~) | 28円12銭/kWh |
製造業が多い地域特性を反映した料金設定となっており、使用量が多くても比較的経済的に利用できます。
北陸電力エリアの料金プラン
北陸電力エリアは、基本料金と電力量料金のバランスが取れた料金体系を採用しています。基本料金は10Aあたり302円50銭と全国で最も安価な水準です。
区分 | 料金(税込) |
---|---|
基本料金(30A) | 907円50銭 |
電力量料金(~120kWh) | 30円85銭/kWh |
電力量料金(121~300kWh) | 34円73銭/kWh |
電力量料金(301kWh~) | 35円96銭/kWh |
使用量による料金の差が比較的小さいのが特徴で、使用パターンによる料金変動が少なく計画が立てやすい料金体系となっています。
関西電力エリアの料金プラン
関西電力エリアは、他のエリアと異なり最低料金制を採用しています。15kWhまでの最低料金が522円58銭で、これに電力量料金が加算される仕組みです。
区分 | 料金(税込) |
---|---|
最低料金(~15kWh) | 522円58銭 |
電力量料金(16~120kWh) | 20円20銭/kWh |
電力量料金(121~300kWh) | 25円59銭/kWh |
電力量料金(301kWh~) | 28円09銭/kWh |
燃料費調整額の影響を受けやすいという特徴があり、場合によっては大手電力会社より高額になる可能性があります。
中国電力エリアの料金プラン
中国電力エリアも関西エリアと同様に最低料金制を採用しており、15kWhまでの最低料金は759円68銭に設定されています。
区分 | 料金(税込) |
---|---|
最低料金(~15kWh) | 759円68銭 |
電力量料金(16~120kWh) | 32円74銭/kWh |
電力量料金(121~300kWh) | 39円41銭/kWh |
電力量料金(301kWh~) | 41円05銭/kWh |
最低料金は他エリアと比べて高めですが、使用量が多い場合は比較的経済的な料金設定となっています。
四国電力エリアの料金プラン
四国電力エリアは、11kWhまでの最低料金制を採用しています。最低料金は666円89銭で、他の最低料金制採用エリアと比べて中間的な設定です。
区分 | 料金(税込) |
---|---|
最低料金(~11kWh) | 666円89銭 |
電力量料金(12~120kWh) | 30円64銭/kWh |
電力量料金(121~300kWh) | 37円25銭/kWh |
電力量料金(301kWh~) | 40円28銭/kWh |
使用量の少ない世帯向けに最適化された料金体系となっており、単身世帯や2人世帯での利用に適しています。
九州電力エリアの料金プラン
九州電力エリアは、基本料金と電力量料金の二段階制を採用しています。基本料金は10Aあたり316円24銭で、全国的に見ても標準的な設定です。
区分 | 料金(税込) |
---|---|
基本料金(30A) | 948円72銭 |
電力量料金(~120kWh) | 18円36銭/kWh |
電力量料金(121~300kWh) | 23円95銭/kWh |
電力量料金(301kWh~) | 26円47銭/kWh |
ただし、関西エリアと同様に燃料費調整額の影響を受けやすいという特徴があり、この点は契約時の検討材料として考慮する必要があります。
【最新版】カブアンドでんきの料金を大手電力と徹底比較
カブアンドでんきと大手電力会社の料金を比較すると、基本料金と電力量料金はほぼ同等の水準に設定されています。ただし、燃料費調整額に上限がないため、燃料価格の変動による影響を受けやすい特徴があります。
2024年11月時点での比較では、東北・東京・中部・北陸エリアでは従来の電力会社より若干安価な設定となっています。一方で、関西・九州エリアでは燃料費調整額の影響により、カブアンドでんきの方が割高になるケースが見られます。
さらに、他の新電力会社と比較すると、カブアンドでんきは必ずしも割安とは言えない状況です。シン・エナジーやLooopでんきなど、より安価な料金プランを提供している新電力会社も多数存在します。
電気料金の計算方法
カブアンドでんきの料金は、以下の要素を合計して算出されます。
料金項目 | 内容 |
---|---|
基本料金 | 契約アンペア数に応じた固定料金 |
電力量料金 | 使用量に応じた従量料金(3段階制) |
燃料費調整額 | 燃料価格の変動を反映(上限なし) |
再エネ賦課金 | 全国一律の単価を適用 |
燃料費調整額に上限を設けていない点が特徴的です。これにより、国際的な燃料価格の高騰時には電気料金が大きく上昇する可能性があります。
一方で、株引換券による還元が電気料金の1%(プラス会員は2%)あります。この還元分を考慮すると、長期的には経済的なメリットが期待できる可能性があります。
なお、請求額の計算は税込み価格で行われ、毎月の検針日から次回検針日前日までが1か月の計算期間となります。
一般家庭の電気料金シミュレーション
東京電力エリアを例に、世帯人数別の月額料金をシミュレーションしました。2024年11月の燃料費調整額(▲6.33円/kWh)を含む計算結果です。
30A・2人暮らしの場合
項目 | カブアンドでんき | 東京電力 | 差額 |
---|---|---|---|
基本料金 | 935円25銭 | 935円25銭 | 0円 |
電力量料金(348kWh) | 13,277円 | 13,279円 | ▲2円 |
燃料費調整額 | ▲2,203円 | ▲2,203円 | 0円 |
合計 | 12,009円 | 12,011円 | ▲2円 |
2人暮らしの標準的な使用量である348kWhの場合、カブアンドでんきは東京電力とほぼ同等の料金となります。株引換券による還元を考慮すると、月額約120円相当(プラス会員は約240円相当)のメリットが期待できます。
40A・3~4人暮らしの場合
項目 | カブアンドでんき | 東京電力 | 差額 |
---|---|---|---|
基本料金 | 1,247円 | 1,247円 | 0円 |
電力量料金(391kWh) | 15,636円 | 15,639円 | ▲3円 |
燃料費調整額 | ▲2,475円 | ▲2,475円 | 0円 |
合計 | 14,408円 | 14,411円 | ▲3円 |
3~4人世帯の平均的な使用量である391kWhの場合、カブアンドでんきは月額約3円の節約となります。株引換券による還元額は月額約144円相当(プラス会員は約288円相当)となります。
50A・4~5人暮らしの場合
項目 | カブアンドでんき | 東京電力 | 差額 |
---|---|---|---|
基本料金 | 1,559円 | 1,559円 | 0円 |
電力量料金(437kWh) | 17,476円 | 17,480円 | ▲4円 |
燃料費調整額 | ▲2,766円 | ▲2,766円 | 0円 |
合計 | 16,269円 | 16,273円 | ▲4円 |
4~5人世帯の平均的な使用量である437kWhの場合、カブアンドでんきは月額約4円の節約となります。株引換券による還元額は月額約163円相当(プラス会員は約326円相当)となります。
カブアンドでんきの株式還元システムを詳しく解説
カブアンドでんきでは、電気料金の支払額に応じて株式会社カブ&ピースの未公開株式がもらえる独自の還元システムを導入しています。具体的には、利用料金に応じて「株引換券」が付与され、この引換券を種類株式に交換できます。
この株式還元システムは、電気料金の支払いを通じた資産形成の機会を提供する画期的な仕組みです。ただし、株式は上場するまでは売却できないなど、いくつかの制限があります。
なお、株引換券は株式交換のほか、サービス料金の割引にも利用可能です。1枚1円として使用でき、利用者は状況に応じて株式交換か割引かを選択できます。
株式還元の仕組み
カブアンドでんきの株式還元は、以下のような流れで行われます。
会員区分 | 還元率 | 株引換券付与数(月額1万円の場合) |
---|---|---|
通常会員 | 1% | 100枚(約20株相当) |
プラス会員 | 2% | 200枚(約40株相当) |
付与される株引換券は、政府補助金等を適用し、再エネ賦課金を除いた金額に対して計算されます。現時点での株価は1株5円と見込まれていますが、これは2025年4月25日に正式な発行価格が決定されます。
株式の種類は「種類株式」と呼ばれる特殊な株式で、配当金を受け取る権利はありますが、株主総会での議決権や残余財産の分配を受け取る権利はありません。上場時には普通株式に転換される予定です。
電気料金と株式付与の関係
株引換券の付与は月々の電気料金支払い確定後に自動的に行われます。例えば、月の電気料金が10,000円の場合、通常会員では100枚(20株相当)、プラス会員では200枚(40株相当)の株引換券が付与されます。
付与された株引換券は専用のマイページで確認できます。引換券の有効期限は最終取得月から1年間となっており、この期間内に株式交換または料金割引としての利用を選択する必要があります。
また、カブアンドの他のサービス(ガス、モバイル、光回線など)と組み合わせることで、より多くの株引換券を獲得することが可能です。各サービスの還元率は異なり、最大で利用額の20%の株引換券が付与されます。
株式の付与タイミング
株式への交換は以下のスケジュールで実施される予定です。
日程 | 内容 |
---|---|
2025年4月25日 | 株価発表 |
2025年5月2日~23日 | 株式交換申込期間 |
2025年6月20日 | 株式付与 |
株式交換の際には本人確認が必要となり、運転免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類の提出が求められます。交換手続きはオンラインで完結します。
株式の売却方法と制限
カブアンドでんきで付与される株式には、以下のような制限があります。
- 上場するまでは原則として売却不可
- 上場後も一定期間は売却制限(ロックアップ期間)の可能性あり
- 株主総会での議決権なし
- 残余財産分配請求権なし
株式の売却は、株式会社カブ&ピースが上場を果たした後に可能となります。上場までは最短でも3年程度かかるとされており、長期的な保有を前提とした投資として考える必要があります。
株価の値上がり期待と値下がりリスク
株式会社カブ&ピースは前澤友作氏の経営手腕や、生活インフラサービスという安定した事業基盤を持っています。これらは将来的な成長と株価上昇の期待材料となっています。
一方で、以下のようなリスク要因も存在します。
- 株価下落リスク
- 上場までの期間が長期化するリスク
- 上場後のロックアップ期間設定リスク
- 会社が倒産した場合の株式価値消失リスク
現時点での株価は1株5円と見込まれていますが、これは暫定的な価格です。実際の株価は市場環境や企業業績によって変動する可能性があり、投資判断には慎重な検討が必要です。
カブアンドでんきの5つのメリット
カブアンドでんきには、従来の電力会社にはない特徴的なメリットがあります。未公開株による還元や安定した料金体系など、独自のサービス設計により、長期的な視点での利用価値を提供しています。
また、契約時の手続きの簡便さや解約時の柔軟性も特徴の一つです。運営企業の信頼性も高く、安心して利用できるサービスとなっています。
これらのメリットは、電気料金の支払いを通じた資産形成という新しい選択肢を提供するものとなっています。
未公開株がもらえる独自の還元システム
カブアンドでんきの最大の特徴は、電気料金の支払額に応じて株式会社カブ&ピースの未公開株式が還元されるという点です。通常会員で1%、KABU&プラス会員で2%の株引換券が付与されます。
一般的な電力会社では、支払額に応じてポイントが付与されるケースが多いですが、ポイントは価値が固定されているのに対し、株式は将来的な値上がりが期待できるという大きな違いがあります。前澤友作氏は将来的な上場も視野に入れており、上場が実現すれば株式市場での売買も可能となります。
さらに、配当金や株主優待などの株主特典を受けられる可能性もあり、長期的な視点での資産形成手段として期待できます。株式投資を始めたいと考えていた方にとって、手軽に始められる入口としても機能します。
市場連動型プランではない安定した料金体系
カブアンドでんきは、電力市場価格に連動しない料金体系を採用しています。これにより、市場価格の急激な変動による料金の高騰リスクを抑制しています。
基本料金と従量料金の2段階制を採用しており、使用量に応じて分かりやすい料金計算が可能です。また、地域の大手電力会社の料金体系に準じているため、急激な料金変動の心配も少なくなっています。
ただし、燃料費調整額については上限が設定されていない点には注意が必要です。特に関西電力および九州電力エリアでは、この影響で料金が割高になる可能性があります。
解約金なしで気軽に契約変更可能
カブアンドでんきでは、契約期間の縛りがなく、解約金も設定されていないため、いつでも自由に契約を変更できます。これは、サービスへの満足度が低い場合や、より良い条件の電力会社が見つかった場合にも、柔軟に対応できることを意味します。
解約時の手続きも簡単で、オンラインでの申請のみで完了します。また、新しい電力会社への切り替え時も、現在の電力会社への解約連絡は不要です。
付与された株引換券は解約後も有効期限内であれば利用可能で、株式交換や料金割引に使用できる権利は維持されます。
信頼できる経営陣による運営
株式会社カブ&ピースの代表取締役を務める前澤友作氏は、ZOZOの創業者として著名であり、東証プライム市場への上場を実現させた実績を持っています。この経営手腕は、カブアンドでんきの信頼性を高める重要な要素となっています。
また、電力供給については大手電力会社と提携して行われており、安定した電力供給を実現しています。さらに、ZOZOでの経営経験を持つメンバーが多数参画しており、上場企業での実務経験を活かした運営体制が構築されています。
これらの要素は、ベンチャー企業でありながら安心してサービスを利用できる基盤となっています。
簡単な申し込み手続き
カブアンドでんきへの切り替えは、オンラインでの申し込みのみで完了します。現在契約中の電力会社への解約手続きは不要で、スムーズな切り替えが可能です。
申し込み時に必要な情報は、現在の電力会社の検針票に記載されている「お客様番号」と「供給地点特定番号」のみです。これにより、煩雑な手続きなしでサービスの利用を開始できます。
また、解約時の違約金も設定されていないため、気軽にサービスを試すことができます。支払方法も口座振替とクレジットカード払いに対応しており、利便性の高さも特徴となっています。
カブアンドでんきの4つの注意点・デメリット
カブアンドでんきには、独自の株式還元システムという大きな特徴がある一方で、いくつかの注意点やデメリットも存在します。料金体系や対応エリア、株式に関するリスクなど、契約前に十分な理解が必要な要素があります。
特に、電気料金自体の経済性や株式投資に伴うリスクについては、慎重に検討する必要があります。また、サービス提供エリアや対応プランにも制限があり、利用できない場合があります。
以下では、カブアンドでんきの主要な注意点について詳しく解説します。
電気料金は標準的な設定
カブアンドでんきの電気料金は、大手電力会社の従量電灯プランとほぼ同等の料金設定となっています。このため、電気料金の削減を主な目的とする場合、必ずしも最適な選択とは言えない可能性があります。
エリア | 他社との価格差 | 備考 |
---|---|---|
東北・東京・中部・北陸 | 若干安価 | 数百円程度の差 |
関西・九州 | 割高の可能性あり | 燃料費調整額の影響大 |
その他エリア | 同等程度 | ほぼ差なし |
一般的な新電力会社では大手電力会社と比べて6%以上安い料金プランを提供しているケースも多く、年間で6,000円以上の節約が可能なプランも存在します。カブアンドでんきの場合、電気料金の削減額は年間数百円程度にとどまります。
オール電化プラン非対応
カブアンドでんきではオール電化住宅向けの料金プランを提供していないため、オール電化住宅にお住まいの方が利用すると、大手電力会社のオール電化プランと比較して大幅に割高になる可能性があります。
例えば、一般的なオール電化プランでは、深夜電力の単価が大幅に割り引かれます。10kVA契約で480kWhを使用する場合、以下のような価格差が発生します。
プラン比較 | 月額料金(概算) |
---|---|
オール電化プラン(大手電力) | 11,400円 |
カブアンドでんき(一般プラン) | 13,000円 |
月額差額 | 約1,600円 |
この価格差は年間で約19,200円にも及び、株式還元を考慮しても経済的なメリットを得るのが難しい状況となります。
株式の値下がりリスクあり
カブアンドでんきで付与される未公開株式には、様々なリスク要因が存在します。以下のようなリスクを理解した上で、契約を検討する必要があります。
- 企業価値の下落による株価低下リスク
- 上場が実現しない可能性
- 会社倒産時の株式価値消失リスク
- 上場後の需給バランスによる株価変動リスク
特に注意が必要なのは、株式の価値が完全に消失するリスクです。ベンチャー企業への投資は本質的にハイリスクであり、カブアンドでんきの株式還元も投資としての性質を持つことを理解しておく必要があります。
沖縄・離島エリア非対応
カブアンドでんきは、沖縄電力エリアと一部離島での電力供給に対応していません。具体的に、以下のエリアではサービスを利用できません。
- 沖縄県全域
- 本土と送電線が接続していない離島
- マンション一括受電契約物件
- 高圧一括受電契約物件
この制限は電力供給インフラの違いによるもので、将来的にも対応は困難と考えられています。また、マンション一括受電などの特殊な受電形態の物件でも利用できないため、契約前に必ず対象エリアであることを確認する必要があります。
さらに、関西電力および九州電力エリアでは、燃料費調整額の影響により電気料金が割高になる可能性があります。このため、居住地域によってはサービスを利用できない、あるいは利用しても不利になるケースがあることを理解しておく必要があります。
カブアンドでんきの申し込み方法と切り替え手順
カブアンドでんきへの切り替えは、オンラインでの申し込みのみで完了する簡単な手続きとなっています。現在契約中の電力会社への解約手続きは不要で、スムーズに切り替えることができます。
ただし、サービスを利用できない地域や住居形態があるため、申し込み前に対象エリアや条件を確認することが重要です。特に沖縄電力エリアや一部離島、マンション一括受電契約物件などは対象外となっています。
切り替え時に工事は不要で、既存の電力メーターや配線をそのまま使用できます。これにより、切り替えに伴う煩わしさを最小限に抑えることができます。
申し込みの流れと必要書類
カブアンドでんきの申し込みは、以下の手順で進めていきます。
手順 | 内容 | 必要な情報・書類 |
---|---|---|
Step1:情報確認 | 現在の契約情報を確認 | 検針票またはマイページ |
Step2:Web申込 | 必要事項の入力 | お客様番号・供給地点特定番号 |
Step3:本人確認 | 身分証明書の提出 | 運転免許証など |
Step4:支払い方法設定 | 口座情報またはカード情報の登録 | 通帳・クレジットカード |
申し込みに必要な情報は最小限に抑えられており、基本的に現在ご利用中の電力会社の検針票があれば、ほとんどの必要情報を確認することができます。
切り替えにかかる期間
カブアンドでんきへの切り替え期間は、申し込みから供給開始まで以下のようなスケジュールとなります。
タイミング | 内容 |
---|---|
申込日 | Web申込完了 |
1~2営業日後 | 申込受付完了メール送信 |
5~7営業日後 | 供給開始日確定通知 |
2~3週間後 | 実際の供給開始 |
切り替え工事は不要なため、実際の切り替えは検針時に行われます。切り替え時に停電することはなく、電気の供給が途切れることもありません。
申し込み時の注意点
カブアンドでんきでは、以下のような場合は申し込みができません。
- 沖縄電力エリアにお住まいの場合
- 本土と送電線が接続していない離島にお住まいの場合
- マンション一括受電契約物件にお住まいの場合
- 高圧一括受電契約物件にお住まいの場合
- オール電化住宅にお住まいの場合
また、以下のような場合も申し込みができないため、注意が必要です。
- 引っ越し先での新規契約(既存の電気契約がない場所での契約)
- 複数契約の申し込み
- 現在の電気料金に未払いがある場合
さらに、プラス会員(月額500円)への加入判断も重要です。プラス会員になると株式還元率が2倍になりますが、会員費用と還元メリットを比較検討する必要があります。
結論:カブアンドでんきはこんな人におすすめ
カブアンドでんきは、従来の電力サービスに投資的要素を加えた新しい選択肢を提供しています。電気料金自体は標準的な設定ですが、株式還元という特徴的な仕組みにより、長期的な資産形成の可能性を秘めています。
ただし、株式投資に伴うリスクや制限事項も存在するため、自身のニーズや状況に合わせて慎重に検討する必要があります。また、居住地域や住居形態によっては利用できない場合もあります。
以下では、カブアンドでんきが適している人と、他の選択肢を検討すべき人について詳しく解説します。
カブアンドでんきが向いている人
以下のような方には、カブアンドでんきがおすすめです。
対象者 | おすすめの理由 |
---|---|
長期投資志向の人 | 電気料金を通じた資産形成が可能 |
株式投資初心者 | 少額から始められる投資機会 |
前澤友作氏のファン | 経営者の実績と将来性に期待 |
安定志向の人 | 市場連動型でない料金体系 |
特に株式投資に興味があるものの、まとまった資金がない方にとって、日常の電気料金支払いを通じた投資は魅力的な選択肢となるでしょう。
また、カブアンドの他のサービス(ガス、モバイル、光回線など)も利用している方は、セット割引や株式還元の相乗効果が期待できます。
他の電力会社を検討すべき人
一方で、以下のような方は他の電力会社の検討をおすすめします。
対象者 | 理由 |
---|---|
オール電化住宅居住者 | 専用プラン非対応で割高に |
沖縄・離島在住者 | サービス対象外 |
電気料金削減重視の人 | より安価な新電力あり |
短期的な節約志向の人 | 株式の換金に時間がかかる |
特に関西・九州エリアにお住まいの方は、燃料費調整額の影響で電気料金が割高になる可能性があるため、慎重な検討が必要です。
また、マンション一括受電や高圧一括受電契約の物件にお住まいの方は、そもそもサービスを利用できないため、別の選択肢を探す必要があります。
電気料金の削減を重視する場合は、以下のような選択肢があります。
- 大手電力会社の料金プラン見直し
- 電気料金が割安な新電力会社への切り替え
- ポイント還元率の高い電力会社の利用
結論として、カブアンドでんきは電気料金の支払いを通じた新しい資産形成手段として捉えるべきサービスと言えます。純粋な電気料金の削減を目的とする場合は、他の選択肢も含めて比較検討することをおすすめします。