「1ヶ月の電気代はどれくらいが相場?」「うちの電気代って平均より高い?」など、電気代の平均金額について気になっていませんか。 この記事では総務省が発表しているデータをもとに、一般家庭の電気代の平均額をわかりやすく紹介しています。 月々に支払う電気代は家庭によって様々ですが、おおよその平均を知れば、自分の電気代が高いのか安いのかを判断する目安にすることができます。 平均よりも高いという方に向けて、効率的に電気代を節約する方法もあわせてお伝えするのでぜひ参考にしてください。
小売電気アドバイザー・デジタル庁公認デジタル推進委員。個人・法人向けに電力プランのコンサルティングを行う傍ら、電力小売りに関する複数のWEBメディアの記事監修を行う。各種プランに精通しており、シミュレーションシステムの構築・料金比較サイトの運営にも携わる。電力業界の専門家として各種メディアの取材歴多数。「電気代節約の専門家インタビュー掲載」続きを表示 ▼
目次
一般家庭の電気代の平均
電気代の平均を、総務省統計局の家計調査をもとに紹介します。 世帯人数別の平均だけでなく、月による変動や地域差も考慮してまとめているので、自分の電気代と照らし合わせながら見てみてください。
世帯人数別の電気代平均
2019年の総務省のデータから、1人暮らし~6人以上の6つの世帯別に1ヶ月の電気代の平均をまとめました。
世帯人数 | 平均 |
---|---|
1人暮らし | 5,700円 |
2人世帯 | 9,654円 |
3人世帯 | 11,116円 |
4人世帯 | 11,761円 |
5人世帯 | 12,945円 |
6人以上 | 16,031円 |
世帯人数が増えるにつれて、電気代の平均も上がっていくことが分かります。1人暮らしでは5,700円、2人暮らしで10,000円弱となっており、3人以上の世帯では10,000円を超えていますね。 人数が多ければその分使われる電化製品の数は増え、使用時間も長くなります。また、同時に多くの電気を流すため、大きな契約容量(アンペア)で契約せざるを得なくなるでしょう。こうしたことが世帯人数が多いほど電気代が高くなる理由と言えます。 ただし、一定以上の人数になれば同じ家電を共有することもできるので、一人当たりの電気代は下がっていく傾向にあります。効率的に電気を使っている家庭では平均よりも安く、電気を使う時間が分散してしまう家庭では平均よりも高くなることもあるでしょう。 なお、一人暮らしでは勤労者とそうでない方では平均が大きく変わります。
勤労者 | 4,739円 |
---|---|
非勤労者 | 6,550円 |
日中あまり家にいない勤労者は安く、在宅の時間が長い非勤労者は高くなる傾向があります。自分に適した状況の電気代を参考にしてください。
月別の電気代平均
世帯別の電気代の平均は上に示した通りですが、電気代は気温やそれに伴う電化製品の使用頻度の影響で月によっても変動します。
ここでは2人以上世帯の月別の平均額を総務省のデータからまとめました。12ヶ月平均に対する各月の増減も%で載せているのであわせてご覧ください。
電気代 | 増減 | |
---|---|---|
1月 | 14,333円 | +32.4% |
2月 | 13,526円 | +24.9% |
3月 | 11,720円 | +11.5% |
4月 | 11,115円 | +8.2% |
5月 | 8,824円 | -18.4% |
6月 | 8,307円 | -23.2% |
7月 | 9,636円 | -10.9% |
8月 | 10,808円 | -0.1% |
9月 | 9,890円 | -8.6% |
10月 | 9,070円 | -16.2% |
11月 | 9,750円 | -9.9% |
12月 | 12,926円 | +19.4% |
年間平均 | 10,825円 | - |
出典:総務省統計局 家計調査|家計収支編 二人以上の世帯 月別(2019)
気温が低く、エアコンなど暖房の使用頻度が多くなる12月~4月の電気代が、他の月に対して割高になっていることがわかります。夏も比較的電気代が高くなりますが、冬に比べて必要となる熱エネルギーが少ないため、極端に割高になることはありません。
一方5~6月、10月といった季節の変わり目はエアコンなどの冷暖房を使わなくなるため、年間でも電気代が安く済む時期となります。
ここで示した電気代は2人以上世帯の平均額で算出していますが、%で示した12か月平均に対する増減は他の世帯でも当てはめることができるので一つの目安にしてみてください。
地域別の電気代平均
最後に、地域による差を見てみます。総務省のデータから、2人以上世帯の各エリア別の電気代の平均をまとめました。全国平均に対する差(%)もご覧ください。
電気代 | 増減 | |
---|---|---|
北海道 | 11,658円 | +7.6% |
東北 | 12,687円 | +17.2% |
関東 | 10,384円 | -4.0% |
北陸 | 14,476円 | +32.8% |
中部 | 10,897円 | +0.6% |
関西 | 10,074円 | -6.9% |
中国 | 11,358円 | +4.9% |
四国 | 12,092円 | +11.7% |
九州 | 9,960円 | -7.9% |
沖縄 | 10,131円 | -6.4% |
全国平均 | 10,825円 | - |
出典:総務省統計局 家計調査|家計収支編 二人以上の世帯 地域別(2019)
地域によって電気代の平均が異なるのは、気温の差と送電コストの差が影響しています。気温が低い地域では暖房の稼働時間が増えるため電気代は高くなる傾向があり、人口が少ないなどが原因で送電コストが多くかかる地域では初めから料金が高く設定されていることが多いです。 全国平均との差(%)を参考に、自分の地域が高いのか安いのかも一つの参考にすると良いでしょう。
電気代を平均より安くする方法
電気代が平均よりも高かった方は、電気代を少なくとも平均以下に抑えたいですよね。 電気代は電気使用量と料金単価の2つで決まるので、電気代を安くするには「電気使用量を減らす」「料金単価を下げる」の2つの方向から取り組みましょう。
電気使用量を減らす
電気使用量を減らす手段は、節電と買い替えの2つです。 経済産業省のデータによると、一般家庭での電化製品の使用割合は多いものから冷蔵庫、照明器具、テレビ、エアコン、電気温水器となっています。
照明器具やテレビ、エアコンなど消費割合が大きい家電は使用頻度を抑えたり、使用時間を減らすなどの工夫で積極的に使用量を抑えましょう。使用タイミングを分散させず、家族がそろう時間帯に共有するなども節電に効果的です。 中でもエアコンは設定温度を1度変えるだけで5~10%の消費電力を削減できるので、率先して使い方を見直すことをおすすめします。 また、古くなった電化製品は新しいモデルに買い替えるのも電気使用量の削減に役立ちます。 最新式の冷蔵庫では10年前のモデルより消費電力が43%減少しています。照明も蛍光灯からLEDに変えることで8割以上の消費電力を削減できます。 買い替え時期が近付いている家電は最新の省エネ型機器に変えることで、長い目で見て大きな節約になります。
電気料金を見直す
電気料金の単価を下げるには、契約アンペアを変更する、プランや電力会社を変えてしまうの2つの方法があります。 関西・中国・四国・沖縄を除くエリアでは、契約アンペア(A)が予め定められています。アンペアは一度に流せる電気の量を規定するもので、大きいほど電気をたくさん使えますが、その分基本料金が高くなります。 一般的には一人暮らしなら30A、3~4人家族なら40A、4人以上の家族なら50Aで足りると言われています。自分が契約しているアンペアがこれより大きい場合、アンペアを下げることで毎月300円程度の電気代削減になります。 アンペアは電気の検針票(料金明細)に記載されているので一度確認してみてください。 また、これ以上アンペアを下げられないという方や、こまめな節電が難しいという方はプランや電力会社を変えてしまうことも電気料金の削減に役立ちます。 現在は電力が自由化され、好きな電力会社の好きなプランを自由に選んで契約できるようになりました。電力会社によっては時間帯によって電気代を割り引くもの、使用料の単価を大幅に下げているもの、基本料金を無料にしているものなど様々なプランを用意しています。 自分のライフスタイルに合ったプランや電力会社に変更することで、無理なく電気料金を下げられる可能性があるので、ぜひ検討してみてください。
まとめ
電気代の平均額を、様々なデータをもとに紹介してきました。 平均はあくまで一つの目安ですが、同じような状況の方と比較することで自分の電気代が高いのか安いのかを判断しやすくなりますね。 平均より安く済んでいる方は問題ありませんが、平均を上回っている方はこの機会に電気代の節約に挑戦してみてください。 節電や家電の買い替えが効果的ですが、すぐに取り組むのが難しいという方はまず電力会社やプランの見直しから始めてみましょう。乗り換えは原則無料でできるので、自分の生活スタイルに合った電力会社が見つかれば気軽に試してみてくださいね。